2011/03/31

そういえば灰皿もない

書かれないことのほうが多い。

これからここに書かれることよりも、書かれないことのほうが想像を絶するほど多い。

目の前に広がるその事実に背を向けたくなる。

しかし後ろを見るともうすでに書かれてしまった(ときには使い古された)文章たちが腕組みをしている。

どうしたものかと上を見上げると、空が広がっている。

あの雲に煙を吹きかけてやろうと煙草をくわえ、ポケットにあるはずのライターを探す。

もちろんない。必要なものは必要なときにいつもなくなる。

ふと横を見ると、空を見上げているひとが2人いることに気が付く。

「すみません、ライター貸してもらえませんか・・・ああ、ポロシャツしか持ってないですか。となりの方は・・・ああ、もう酔ってるんですか。」

煙草を諦めて僕は、彼らと同じように空を見上げることにする。

こうやって3人並んで空を見ていても何も始まらないかもしれない。

でももし何かが始まるとすれば悪くない始まり方だなとも思う。

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