2011/04/01

せめて木製であってほしい話

ピンポーン、ドンドンドン

すいませーん、いたいのですけどー、すいませーん、ドンドンドン。

イタイノ?

覗き穴は塞がれている。真っ暗だ。

どちら様ですか?

いたいのですー、飛んできたんですけどー。

飛んできた?はぁ・・・どこからですか?

あなたの妹さんからですー。

帰ってください。

いいんですかー?

帰れ。

ほかの人の所に飛んでいくことになるんですがいいんですかー?

かまわん。

生まれたばかりの赤ちゃんや入院中の老人の所に飛んでいくかもしれませんがいいんですかー?

むっ・・・ (いやはやどうしたものか・・・)

コンコン。

何ですか。

すみません、もう飛んでいかなくていいみたいです。

何でですか。

それは、あなたが心を痛めてくれたからです。

わたしはもう消えます。ありがとう、さようなら。シュワシュワシュワシュワ(サイダーみたいな音)

お、おい、いたいの。

僕はドアを開くと同時に側頭部に鈍痛を感じ気を失う。

「心の痛みだけじゃ、全然足りないんですよねー。」

気を失う瞬間、そう聞こえた。

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