2011/08/31

おもいつき短歌

くるぶしにくいこむきみのくれたくつ スピード落とせ 淡い脅迫

2011/08/30

自動的15秒間

ピトっと押すとストンと落ちてジョボジョボと注がれる式の自動販売機の前で

珈琲が出来上がるまでプラスチック製の小さな黒い扉をじっと見ながら待っていると、

となりの自動販売機の前で同じように待っていた女性が

「ごくろうさま」と小さな声で言った。

それを聞いて、ああ、この女性は自動ドアや自動で流れるトイレや

全自動洗濯機やATMやエスカレーターやエレベーターにも

ねぎらいの言葉をかけているやさしい人なんだろうな、

日本の女性は美しいな、と思いながら黙ってその場を立ち去ったのだけれど

あれは僕に対して言った言葉だったのではなかろうか

もしそうだとしたら僕はあっさりとひどいことをしてしまったとともに、

ラブストーリーの序章を踏み潰してしまったのではなかろうかと今更気が付き

おちこんだりもしたけれど、僕はげんきです。

2011/08/29






















色:みどり
水:ふつう
波:なし
天気:晴れ

ひとこと:200回は通過点。10年続けるよ。

2011/08/26

おもいつき矢豆歌

「テレビってすぐ消せるから好きなのよ」虚ろな目して俺を見るなよ

2011/08/20

服を捨てる日

前日に着ていた服を当日の朝、

燃えるゴミとして処分するのが引っ越しの際の恒例行事だ。

洗濯する時間もないし、汚れた服を新居に持っていくのも

なんだかなぁと思って毎回捨てているのだけれど、その度に罪の意識が芽生える。

その光景を見ていた人に指をさされ「MOTTAINAI!」と叫ばれたりしたら、

僕はひたすら謝ることしかできないと思う。

もちろん後悔するし、その服がなくて困ったことにもなる。

じゃあそんなことやめたらいいじゃないか、とあなたは言うかもしれない。

僕だってやめたい。でも引っ越しの時期はまたいずれやって来るだろうし、

引っ越しの前日を全裸で過ごすことはできない。

前日に着ていた服というのは必ず生まれる。毎日生まれている。

邪魔になるのは引っ越しの当日だけだ。

だからまた僕は前日に着ていた服を捨てることになるだろうと思う。

大変申し訳ないとは思うのだが、服には我慢をしてほしい。

その日までは服を大切にすると誓う。

それにこういうことを言うと怒られそうだけど、

脱いだ服をそのまま捨てるという行為はなんとなく気持ちがいいものなのだ。

おもいつき短歌

あーだこーだそーだどーだ ごちゃごちゃうるせえやつら 自分もか

2011/08/14