年末年始はうわのそらたち総括を。
できたらいいななんて。
2011/12/29
2011/12/26
質問
「あなたが自分の思いを他人に深く届けていいと思う根拠は何ですか」
という質問を読んだ。読んだ瞬間、背筋が凍りついた。
深く届いているかどうかはわからないが、
深く届けばいいなと思いながら文章を書いていた。
しかし、「深く届けていいと思う根拠」なんて探してみたけれど何処にもなかった。
書くことが仕事ではないので、「食うために必要だからです」
と言えない僕は、この質問の前で、しばらく途方に暮れるしかなかった。
書くことが少し怖くなった。
というのは昨日の話で、今ではすっかり忘れています。
という質問を読んだ。読んだ瞬間、背筋が凍りついた。
深く届いているかどうかはわからないが、
深く届けばいいなと思いながら文章を書いていた。
しかし、「深く届けていいと思う根拠」なんて探してみたけれど何処にもなかった。
書くことが仕事ではないので、「食うために必要だからです」
と言えない僕は、この質問の前で、しばらく途方に暮れるしかなかった。
書くことが少し怖くなった。
というのは昨日の話で、今ではすっかり忘れています。
ローテーションを考える。
12月23日から31日は行事が目白押しで、プロ野球でいえば日本シリーズくらい華やかです。
この期間を勝ち抜くために、先発投手を考えてみました。
12月23日 斉藤 (初戦はやはり大エース)
24日 桑田 (勝負どころは頼れる桑田)
25日 槇原 (イブほどではないが大事。プレッシャーがないと強い)
26日 宮本 (負けてもいい。中休み)
27日 移動日
28日 斉藤 (もうひと頑張り。エースの踏ん張りに期待)
29日 桑田 (仕事納めは頼れる桑田。まだ気が抜けない)
30日 槇原 (家族や友人とのんびり)
31日 ガルベス(無礼講)
この期間を勝ち抜くために、先発投手を考えてみました。
12月23日 斉藤 (初戦はやはり大エース)
24日 桑田 (勝負どころは頼れる桑田)
25日 槇原 (イブほどではないが大事。プレッシャーがないと強い)
26日 宮本 (負けてもいい。中休み)
27日 移動日
28日 斉藤 (もうひと頑張り。エースの踏ん張りに期待)
29日 桑田 (仕事納めは頼れる桑田。まだ気が抜けない)
30日 槇原 (家族や友人とのんびり)
31日 ガルベス(無礼講)
冬の扇風機
この夏、オフィスの自分の席のすぐそばに扇風機が置かれた。
エアコンの冷気を扇風機で循環させると節電になるそうだ。
その扇風機は今でも回っている。
暖房になっても同じ効果があるらしい。
ただ、そばにいるとやっぱり寒い。
完
エアコンの冷気を扇風機で循環させると節電になるそうだ。
その扇風機は今でも回っている。
暖房になっても同じ効果があるらしい。
ただ、そばにいるとやっぱり寒い。
完
2011/12/25
2011/12/23
あしたのメリークリスマス
やっぱりおじいちゃんがサンタさんなんだ。
パーティーの途中でおじいちゃんがいなくなったことに、トーマスは気づいていました。
おじいちゃんがいなくなったあと、
部屋にプレゼントを持って入ってきたサンタクロースは、
よく見ると、やっぱりおじいちゃんでした。
でも、おじいちゃんががっかりすると思い、トーマスは気がつかない振りをしました。
トーマスは去年までは本当にサンタさんがいると信じていました。
それだけ、おとなになったのです。
トーマスは、本当にサンタクロースがいなかったことがわかって、
すこしさみしくも思いました。
トーマスは、本当にサンタクロースがいなかったことがわかって、
すこしさみしくも思いました。
だけど、トーマスにはまだわからないことがありました。
サンタクロースがプレゼントを置いて部屋から出て行った後も、おじいちゃんは、
明日の朝までずっと帰ってこないのです。
それから、60年。
今度はトーマスがパーティーの途中でいなくなる番です。
孫たちに気がつかれないように、そっと。
そして、トーマスもおじいちゃんと同じように、翌朝まで家に帰ってきません。
なぜ、トーマスは朝まで帰って来ないかって?
だって、世界中の子供たちが待っているからです。
そう、トーマスの本当の名前は、トーマス・トゥエル・ウル・サンタクロース。
今年も、もうすぐ日本にやってきます。
みなさま、メリークリスマス!
2011/12/19
2011/12/17
2011/12/15
「さかなクン」と「にくクン」
「さかなクン」がいて、「にくクン」がいないのはなぜだろう。
きょうは、その理由について考えてみたい。
1.にくクンは、頭に何を乗せるかが難しい。
「さかなクン」の頭部から下は、ほぼ人間である。
「さかなクン」は頭に「さかな」(あれはハコフグ)を乗せている。
チャーミングなあの「さかな」が世代を問わず人気を集める
彼のシンボルとなっている。
「にくクン」も同じようにしたい。
「にく」と言われて、牛、鶏、豚、羊そのものを想像する人は少ないだろう。
おそらく、調理前or調理後の「にく」を想像するはずだ。
そんなものをぺチャッと頭に乗せた人間を「にくクン」と呼べるだろうか。
いや呼べない。強いて言うなら、「焼肉屋で酔いすぎた人」だ。
ごく控えめに言っても、気味が悪い。
2.にくクンは、どのように鳴けばよいのかがわからない。
「さかなクン」は「ギョギョ!」と鳴く。
「にくクン」はどのように鳴けばいいだろうか。
「モウモウ!」はどうか。
これでは全国鶏協同組合、全国豚協同組合、全国羊協同組合から
クレームの電話が殺到してしまうだろう。
「コケコッコー!」「ブヒブヒ!」「メエメエ!」も同様にだめだ。
すべての「にく」に共通している鳴き方。
「ジュウジュウ!」だ。焼かれる音だ。
しかしこれでは、少々残酷すぎやしないだろうか。
それに「ジュウジュウ!」は、焼いて食べるもの全般に共通してしまい
「にくクン」のオリジナリティが失われてしまう。
かと言って無口な「にくクン」は、なんの面白味もない。
3.にくクンは、なんとなくイヤだ。
うん、なんとなくイヤだ。
以上これらの理由(特に3)によって、「にくクン」はいないのだと僕は思う。
いたら本当にごめんなさい。
※おい、「やさいクン」はどうなんだよと思った方へ。
検索してみると「やさいクン」はいます。
何を頭に乗せ、どのように鳴くのかはわかりませんが、
「やさいクンの水耕栽培ブログ」をやっています。
興味のある方はぜひ読んでみてください。
僕は読んでいません。
きょうは、その理由について考えてみたい。
1.にくクンは、頭に何を乗せるかが難しい。
「さかなクン」の頭部から下は、ほぼ人間である。
「さかなクン」は頭に「さかな」(あれはハコフグ)を乗せている。
チャーミングなあの「さかな」が世代を問わず人気を集める
彼のシンボルとなっている。
「にくクン」も同じようにしたい。
「にく」と言われて、牛、鶏、豚、羊そのものを想像する人は少ないだろう。
おそらく、調理前or調理後の「にく」を想像するはずだ。
そんなものをぺチャッと頭に乗せた人間を「にくクン」と呼べるだろうか。
いや呼べない。強いて言うなら、「焼肉屋で酔いすぎた人」だ。
ごく控えめに言っても、気味が悪い。
2.にくクンは、どのように鳴けばよいのかがわからない。
「さかなクン」は「ギョギョ!」と鳴く。
「にくクン」はどのように鳴けばいいだろうか。
「モウモウ!」はどうか。
これでは全国鶏協同組合、全国豚協同組合、全国羊協同組合から
クレームの電話が殺到してしまうだろう。
「コケコッコー!」「ブヒブヒ!」「メエメエ!」も同様にだめだ。
すべての「にく」に共通している鳴き方。
「ジュウジュウ!」だ。焼かれる音だ。
しかしこれでは、少々残酷すぎやしないだろうか。
それに「ジュウジュウ!」は、焼いて食べるもの全般に共通してしまい
「にくクン」のオリジナリティが失われてしまう。
かと言って無口な「にくクン」は、なんの面白味もない。
3.にくクンは、なんとなくイヤだ。
うん、なんとなくイヤだ。
以上これらの理由(特に3)によって、「にくクン」はいないのだと僕は思う。
いたら本当にごめんなさい。
※おい、「やさいクン」はどうなんだよと思った方へ。
検索してみると「やさいクン」はいます。
何を頭に乗せ、どのように鳴くのかはわかりませんが、
「やさいクンの水耕栽培ブログ」をやっています。
興味のある方はぜひ読んでみてください。
僕は読んでいません。
『いかなるときも』
『シュレッダーの詩』
シュレッダーの扉を開けると、
体育座りで温水洋一が座っている。
頭に紙くずを乗せ。
こちらを向いて微笑んでいる。
シュレッダーの扉を開けると、
体育座りで温水洋一が座っている。
頭に紙くずを乗せ。
こちらを向いてウインクしてる。
シュレッダーの扉を開けると、
体育座りで温水洋一が座っている。
御社もきっと~。御社もきっと~。
体育座りの温水洋一が中にいる~。
2011/12/14
2011/12/09
2011/12/08
夢のブレスト
仕事も、立場も、年齢も気にせずに。
社会情勢、可能不可能も考えず。
『夢』を語ろう。
だれかの夢を批判することもなく。
照れることなく、威張りもせず。
つまらくても、真面目でもいい。
うまい言葉、いらない。
オチもいらない。ひととちがう視点を目指さなくていい。
いつもより大胆でもいいし、いつもより弱くてもいい。
目立たなくていいし、目立ってもいい。
熱くていい。ノリわるくていい。なんなら、すごく照れていい。
ただひとつ、夢を語ること。
いっそ、夢という言葉も忘れて、“ようするにそういう感じのもの”を
言えるところ。
言わずに、思う(思い出す)だけでもいい。
そういう場所を、ここに作ろう。
社会情勢、可能不可能も考えず。
『夢』を語ろう。
だれかの夢を批判することもなく。
照れることなく、威張りもせず。
つまらくても、真面目でもいい。
うまい言葉、いらない。
オチもいらない。ひととちがう視点を目指さなくていい。
いつもより大胆でもいいし、いつもより弱くてもいい。
目立たなくていいし、目立ってもいい。
熱くていい。ノリわるくていい。なんなら、すごく照れていい。
ただひとつ、夢を語ること。
いっそ、夢という言葉も忘れて、“ようするにそういう感じのもの”を
言えるところ。
言わずに、思う(思い出す)だけでもいい。
そういう場所を、ここに作ろう。
2011/12/07
2011/12/06
うわのそらたち手帳2012
2011/12/05
仮説
「クリスマスなんて、どうでもいい」
この「なんて」と同じ意味になるように、
「クリスマス」を別の言葉に置き換えて「○○なんて、どうでもいい」という一文を作れ。
と問われたら、一番しっくりくる単語は何だろうか。
「花火大会なんて、どうでもいい」
これも間違いではないと思う。
しかし、いちばんしっくりくる単語を、私は「巨乳」だと考える。
「巨乳なんて、どうでもいい」
Yahoo辞書で「なんて」の意味を調べると次のように書いてある。
なんて「副助詞」
『[副助]《副助詞「など」に格助詞「と」の付いた「などと」の音変化》名詞、名詞に準じる語、活用語の終止形に付く。1 ある事物を例示して、それを軽んじたり、婉曲(えんきょく)に言ったりする意を表す。』
では、上の一文の場合、クリスマスを軽んじているだろうか。
文法上は、確かに軽んじている。
しかしそれを言ったときの主人公は、クリスマスをけっして軽んじていない。
あるのは、「意地」「嫉妬」「羨望」「妄想」「悲壮」「決意」「期待」「友情」「宗教上の理由」と、いったところだろう。
ほかにこれらを全て網羅する言葉があるだろうか。
巨乳以外に私は知らない。
「花火大会なんて、どうでもいい」
前後の文脈があれば、理解できなくもないが、少し、弱い。
そもそも花火と宗教は結びつきにくい。
やはり、「巨乳」だ。
巨乳は信仰だ。
これをクリスマス巨乳説とする。
今年ももうすぐクリスマスがやってくる。
皆さまに幸せなクリスマスが訪れますように。
もちろん、巨乳と言い換えてもらっても構わない。
この「なんて」と同じ意味になるように、
「クリスマス」を別の言葉に置き換えて「○○なんて、どうでもいい」という一文を作れ。
と問われたら、一番しっくりくる単語は何だろうか。
「花火大会なんて、どうでもいい」
これも間違いではないと思う。
しかし、いちばんしっくりくる単語を、私は「巨乳」だと考える。
「巨乳なんて、どうでもいい」
Yahoo辞書で「なんて」の意味を調べると次のように書いてある。
なんて「副助詞」
『[副助]《副助詞「など」に格助詞「と」の付いた「などと」の音変化》名詞、名詞に準じる語、活用語の終止形に付く。1 ある事物を例示して、それを軽んじたり、婉曲(えんきょく)に言ったりする意を表す。』
では、上の一文の場合、クリスマスを軽んじているだろうか。
文法上は、確かに軽んじている。
しかしそれを言ったときの主人公は、クリスマスをけっして軽んじていない。
あるのは、「意地」「嫉妬」「羨望」「妄想」「悲壮」「決意」「期待」「友情」「宗教上の理由」と、いったところだろう。
ほかにこれらを全て網羅する言葉があるだろうか。
巨乳以外に私は知らない。
「花火大会なんて、どうでもいい」
前後の文脈があれば、理解できなくもないが、少し、弱い。
そもそも花火と宗教は結びつきにくい。
やはり、「巨乳」だ。
巨乳は信仰だ。
これをクリスマス巨乳説とする。
今年ももうすぐクリスマスがやってくる。
皆さまに幸せなクリスマスが訪れますように。
もちろん、巨乳と言い換えてもらっても構わない。
おもいつき短歌
こんばんはFBIの山田です今日は醤油を借りに来ました
こんばんはCAIの山田です今日は砂糖を借りに来ました
こんばんはKGBの山田です今日はみりんを借りに来ました
こんばんはNASA広報課山田です今日はチャツネを借りに来ました
こんばんはほんとはただの山田です今日はあなたを借りに来ました
こんばんはCAIの山田です今日は砂糖を借りに来ました
こんばんはKGBの山田です今日はみりんを借りに来ました
こんばんはNASA広報課山田です今日はチャツネを借りに来ました
こんばんはほんとはただの山田です今日はあなたを借りに来ました
『いかなるときも』
『しょっつる』
男鹿半島のしょっつるは、はたはただけで作られているそうです。
なにに使っても、おいしい。
会社に持っていって、いつもの弁当のおかずにかけようかな。
それを見たOLたちが、「なにこれー」、「かわいいー」
「超しょっつるー」、「先輩、いっしょに食べません?」
ってことになるかもしれない。
いや、ならない。
2011/12/04
2011/12/03
2011/12/02
『いかなるときも』
『本日開店』
家のすぐ近くにスーパーがオープンしました。
今まで、歩いて10分くらいかかる場所にしかなかったから、うれしい。
これで自炊をするようになるかも。
いや、しなければならない。
自炊が無理でも、
せめて、お惣菜コーナーのアジフライでも買って、
家で飲もう。
ホッピーも置いてあれば、なお良い。
と、こんなところでよろしいでしょうか?
2011/12/01
山田は常に死んでいる
目の前で山田優子が白い車に跳ね飛ばされたとき、僕は言葉を失った。
その日僕らは夕方の公園にいて、2人でボール蹴りをしていた。
僕が蹴ったボールは、当たり前のように山田の頭上を越え、
当たり前のように公園を飛び出して、当たり前のように道路に着地した。
そして当たり前のようにボールを拾いに行った山田は、
当たり前のように道路に飛び出して、当たり前のように白い車に跳ね飛ばされた。
回転する山田。後方かかえ込み2回宙返り3回ひねり。
難易度Gの技を繰り出しながら山田は電柱に激突し、
ボールと同じように道路に着地した。
白い車は一瞬沈黙したが、当たり前のようにその場から走り去った。
すべてがスローモーションに見えた。音のない世界。
山田が死んだ。山田が死んだ。山田が死んだ。
よくありがちな事故で山田が死んだ。
その言葉を脳内で反芻しながら、叫ぶこともできずに、
僕は山田のもとへと駆け寄り、キスをした。ファーストキスだった。
TVドラマから集めた情報を総動員した結果、
キスをすれば、山田がごふっと言いながら水を吐き、息を吹き返すと思っていた。
山田は水を吐かなかったし、息も吹き返さなかった。溺れたわけではないからだ。
ひどく混乱していた僕は、次に心臓マッサージを開始した。
これもTVドラマから集めた情報を総動員した結果だ。
山田の体は既に象形文字のようにぐにゃりと曲がっていたが、
心臓マッサージさえすれば、もと通りになると思っていた。
しかし山田は曲がったままだった。僕は山田の前ではじめて泣いた。
するとTVドラマみたいに山田がうっすらと目を開けた。
「山田、しっかりしろ!山田、水を吐け!もと通りになれ!」と僕は叫んでいた。
山田は口をパクパクさせていた。耳を近づけなければ聞こえないほどの声だ。
「み、みんなには、内緒ね。」山田はそう言って、目を閉じ、死んだ。
TVドラマみたいに、頭をがくんとやって死んだから、
これは確実に死んだんだなと思うと、また泣けてきた。
みんなには内緒な?僕がやるべきことは、救急車を呼ぶでもなく、
山田の母親を呼びに行くでもなく、白い車を追いかけるでもなく、
みんなに内緒にしておくことなのか?どうなんだ山田。
山田は答えない。山田は死んでしまったのだ。
山田の最期の言葉を、僕は守ることにした。
山田が死んでしまったことを、みんなには内緒にしておくこと。
僕は山田を、山田の死体を背負った。軽かった。悲しいほどに軽すぎた。
背中に山田の胸のふくらみを感じながら、僕は静かに歩き始めた。
(つづく予定)
その日僕らは夕方の公園にいて、2人でボール蹴りをしていた。
僕が蹴ったボールは、当たり前のように山田の頭上を越え、
当たり前のように公園を飛び出して、当たり前のように道路に着地した。
そして当たり前のようにボールを拾いに行った山田は、
当たり前のように道路に飛び出して、当たり前のように白い車に跳ね飛ばされた。
回転する山田。後方かかえ込み2回宙返り3回ひねり。
難易度Gの技を繰り出しながら山田は電柱に激突し、
ボールと同じように道路に着地した。
白い車は一瞬沈黙したが、当たり前のようにその場から走り去った。
すべてがスローモーションに見えた。音のない世界。
山田が死んだ。山田が死んだ。山田が死んだ。
よくありがちな事故で山田が死んだ。
その言葉を脳内で反芻しながら、叫ぶこともできずに、
僕は山田のもとへと駆け寄り、キスをした。ファーストキスだった。
TVドラマから集めた情報を総動員した結果、
キスをすれば、山田がごふっと言いながら水を吐き、息を吹き返すと思っていた。
山田は水を吐かなかったし、息も吹き返さなかった。溺れたわけではないからだ。
ひどく混乱していた僕は、次に心臓マッサージを開始した。
これもTVドラマから集めた情報を総動員した結果だ。
山田の体は既に象形文字のようにぐにゃりと曲がっていたが、
心臓マッサージさえすれば、もと通りになると思っていた。
しかし山田は曲がったままだった。僕は山田の前ではじめて泣いた。
するとTVドラマみたいに山田がうっすらと目を開けた。
「山田、しっかりしろ!山田、水を吐け!もと通りになれ!」と僕は叫んでいた。
山田は口をパクパクさせていた。耳を近づけなければ聞こえないほどの声だ。
「み、みんなには、内緒ね。」山田はそう言って、目を閉じ、死んだ。
TVドラマみたいに、頭をがくんとやって死んだから、
これは確実に死んだんだなと思うと、また泣けてきた。
みんなには内緒な?僕がやるべきことは、救急車を呼ぶでもなく、
山田の母親を呼びに行くでもなく、白い車を追いかけるでもなく、
みんなに内緒にしておくことなのか?どうなんだ山田。
山田は答えない。山田は死んでしまったのだ。
山田の最期の言葉を、僕は守ることにした。
山田が死んでしまったことを、みんなには内緒にしておくこと。
僕は山田を、山田の死体を背負った。軽かった。悲しいほどに軽すぎた。
背中に山田の胸のふくらみを感じながら、僕は静かに歩き始めた。
(つづく予定)
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